2014年6月13日 (金) 09:41
こんにちは。
茅ヶ崎ビオラデンタルCT・インプラントセンター院長の清原です。
毎日のようにレントゲン(CT)を撮影している当院では、症状はないものの発見される病気が時々あります。
その中の一つに上顎洞炎という病気があります。
上顎洞は鼻の横、ほほ骨の裏側にあるピンポン玉くらいの空洞で鼻と通じています。
普段は空気が入っているのですが、病気になると粘液(鼻水)や膿がたまり
上顎洞炎または蓄膿症という病名が付きます。
症状は強い鼻閉感や後鼻漏というのどに流れる膿、頭痛や頬部の圧迫感、しびれなどさまざまです。
病気が活発になっている急性期と冬眠状態の慢性期とで症状も違ってきます。原因の多くは風邪が長引いたり、
花粉症が悪化すると発症することが多いのですが虫歯が原因となる事もあります。
上記右のレントゲンは、根の先端にできた虫歯菌の固まりが上顎洞へと広がってきています。
この患者さまの症状は頬が重たい、歯が浮いた感じがするでした。
この虫歯が原因で起こる歯性上顎洞炎は、時には抜歯も必要ですが原因歯を治療すれば治癒することが多いです。
しかし、重症化した場合は抜歯後に上顎洞と抜歯をした穴が通じてしまい、鼻水が口の中に流れてきたり、飲んだお水が鼻に流れて行ったりと後遺症が出てしまいます。これを閉鎖する手術が必要になる場合があります。
ですから歯性上顎洞炎を発見した場合には積極的に治療を勧めます。
下のレントゲンは歯が関係していない上顎洞炎です。症状が出たとしても歯科治療や抜歯の必要性もなく、
穴が開く後遺症もありません。
病気は全て治すに越したことはありませんが、完治が難しいうえ症状が無かったり、放置することで大病にならないようなものは自覚したうえで共存も選択肢の一つだと思っています。通常の上顎洞炎もその一つだと思います。
私も10年以上付き合っている腰のヘルニアが最近暴れております。ここ数年症状がなかったことになまけて無理な姿勢で治療が続いたせいでしょうか?
実は通常の上顎洞炎のレントゲンも私のものです。ヘルニアも慢性上顎洞炎もいずれ積極的な治療が必要になると思いますが、現状維持ができればこれらの病気と上手に付き合っていきたいと思います。